フットブレインに東京大学大学院情報学環教授の馬場章先生という方が出演され、ゲームを教育の中に取り入れていくことのメリットを紹介していました。
最近、娘がスマホの「とどさんすう」というアプリをやっていて、数字をかなり覚えていることもあり、ゲームはうまく活用できれば、勉強にも効果があるのではないかと感じていました。
馬場章先生とは?
馬場章先生は、ゲーム研究の第一人者で、東京大学でゲームに関する授業ということで、ゲームの歴史やゲームの分類、ゲームを黒板に写してどういう仕組みでゲームができているのか?という内容で授業を行っているとのことでした。
馬場先生が注目しているゲームの力として「学習能力のUP」が紹介されていました。
学習に必要な能力とゲームに必要な能力は重なり合う部分があるとのこと。
ゲームを活用した事例について
実際に実験をした内容として「大航海時代Online」という16世紀のヨーロッパを舞台にした冒険や交易をしながら船で旅をするRPGを使った事例が紹介されていました。
高校の世界史の授業に導入して、以下の3つのグループに分けて実施したそうです。
「ゲームのみ」:ひたすら「大航海時代Online」をする
「課題+ゲーム」:歴史に関するメモを作ったり、歴史上の実分の写真を撮るなどの課題を与えながらゲームをする
「通常授業」:通常の授業をする
結果は以下のとおり
なお、歴史に対してどのように興味を持つようになったのかを表しています。
子どもたちはゲームが好きなため、授業の中でゲームができるようになると授業に対するモチベーションが違うとのこと。
さらに、試験の成績にも良い影響があったということで以下の結果も紹介されていました。
ゲームを取り入れる前(中間試験)と後(期末試験)の結果。
勉強に対するモチベーションがアップしただけではなく、お互いに教え合う状況が生まれたとのこと。
分からない子どもに対して、分かる子どもが教える姿があったとのことでした。
協力、協調学習が働いて成績が伸びたのではないかとおっしゃっていました。
体育については?
アメリカの事例が紹介されていました。
ウェストバージニア州(全米第三位の肥満者率(2006年))では、肥満問題の解決のために州内全ての公立学校に
「ダンス・ダンス・レボリューション」を導入したとのこと。
効果を測定している途中だが、子どもたちのモチベーションが上がっているだけでなく、俊敏力や肥満防止に役立っている
サッカーでの活用は?
サッカーゲームの「ウイニングイレブン」を題材にして子どもたちを教えるサッカー教室を開催する試みが実施されているとのこと。
この取組に挑戦しているのが「中西哲生」さん。
シュートの蹴り方をウィニングイレブンで子どもたちが体感。
シュートの蹴り方としては「シュートは蹴り足から着地」を子どもたちに伝え、「ウィニングイレブン」を使って、精密に再現された選手の動きを「見る」教材として活用するとの話しがありました。
また、子どもたちに「斜めのパスを出すような意識を持ってプレーしてみて」と伝え、「ウィニングイレブン」を使って、ボールを
持っていない人が斜めに入るようなプレーをする。
中西さんから「斜めに走った方が相手のマークが外れやすい」からという説明を受けていました。
実際にゲームを使って教えてもらった子どもたちの感想としては以下のような内容が紹介されていました。
・立体的に見れて、ピッチを広く使えてこの辺が空いているとか、そういう事を考えながらできた。それで2手3手先を考えられてよかった。
・普段はボールを持った時に逆サイドを走っている選手を見られてなかったけど、次からは左側走っている選手いるかな?とか、気にしながらプレー出来そう。
子どもたちにとっては、「意識」してゲームをすることで、今まで考えてなかった「気付き」が生まれる。
一方、教える側にとっては、普段「教えづらい」部分が伝わることを実感できたそうです。
中西さんは「3D的な感覚が選手に無いと良い崩しが出来ない。」と考えを説明しており、「そういう感覚を子どもたちに養わせるうえで有効」と話しをしていました。
最後に
かなり興味深い内容が説明されていました。たしかに課題を与えてゲームをやることで、ただゲームをするだけでなく、新たな気づきを得られると思いました。
ウィニングイレブンも俯瞰した状態でゲームを行うので、意識付けをすることで実際のサッカーのイメージトレーニングに良いと思いました。
中西さんが話していたゴール前での斜めのパスなどは、ゲームをやる時から意識して操作することで、自分のイメージトレーニングにもなると思いました。
「ウイニングイレブン」以外にも、スマホのアプリで「Jリーグプニコンサッカー」というアプリなどもあるので利用してみるのもよいかと思いました。
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