サッカー日本代表の岡崎慎司選手の専属トレーナーである法政大学の杉本教授が書いた本を読んでみました。
この本には、足を早くするためのトレーニング方法と体幹トレーニングの方法がまとめられています。
また、DVDも付属しているので視聴することで、実際の動きを見ながらトレーニングのやり方が分かります。
走り方について
陸上部の主に短距離に所属したことがないと「走り方」って教えてもらう機会がほとんどないかと思います。
自分も中学、高校、大学とサッカーをしていましたが、もちろん、走り方を教えて貰ったことはありませんでした。
なぜ、こんなことを考えたのか?というと、先日、サッカー日本代表の岡崎選手の個人的なトレーナーとして、岡崎選手の走り方の指導をしている杉本コーチのことを情熱大陸で取り上げていたからです。
情熱大陸の紹介では「走らせ屋」という肩書でした。
岡崎選手と杉本コーチの付き合いは、岡崎選手が清水エスパルスでプロ選手としてスタートした時からとのことでした。
当時の監督の、長谷川監督が選手の走り方を鍛えるために杉本コーチに指導をお願いしたといういきさつがあったとのことです。
その時から付き合いが始まり、現在まで続いているとのことでした。なお、今では、同じ日本代表の吉田麻也選手や宮市亮選手なども杉本コーチの指導を受けている様子が紹介されていました。
杉本さんの経歴
1992年のバルセロナオリンピックで100m、4×100mリレーに出場した短距離の元選手。
4×100mリレーでは、決勝に進出し6位となる。
選手を引退したあとは、2000年に浜松大学の経営情報学部の講師、陸上部監督、サッカー部のフィジカルアドバイザーに就任。
2005年に清水エスパルスのフィジカルコーチに就任。
2010年に清水エスパルスのフィジカルコーチを退団。法政大学経済学部准教授に就く。サントリーサンゴリアス(ラグビー)のスピードコーチに就任。
2012年に岡崎慎司選手と専属コーチ契約
現在は、法政大学で経営学を教えている教授。
情熱大陸をみて興味深いと思ったこともあり、杉本さんの本を探してみました。
「姿勢」と「走り方」を学んで上達する サッカージュニア向け体幹トレーニング | ||||
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このような本があったのでレビューを見たところ、サッカーという言葉はあるものの、サッカーに特化しているわけではなさそうだったこと、また、DVDが付属されていることもあり、購入してみました。
本の構成は2部構成となっており、前半部分は、岡崎選手と杉本コーチの対談形式で、走り方を学んでみての岡崎選手の感想が紹介されていました。
後半部分は、具体的なトレーニングの仕方が紹介されていました。
紹介されていた内容は以下の通りです。
トレーニングの内容
トレーニングとして紹介されている内容はStep1~7です。
走り方についてはStep1~3
体幹トレーニングについてがStep4~7
走り方
Step1 正しい姿勢を身につけよう
1.気をつけの姿勢
2.バランス感覚を身につける
最初は「気をつけの姿勢」についての説明がありました。ポイントしては猫背にならないことです。
Step2 正しい歩き方を身につけよう
1.つま先立ち小股歩き
2.つま先立ちで小走り
3.かかと立ちで小股歩き
4.かかと立ちで小走り
5.かかと⇒つま先立ち⇒もも上げ
6.かかと⇒つま先立ちを意識して歩く
7.土踏まず⇒つま先立ちを意識して歩く
8.大股でスムーズに体重移動させながら歩く
9.スムーズに歩く(完成型)
最初につま先立ちで小股で歩くところからスタートしました。いきなり、走るではなく、バランスよく歩くことから始まりました。
Step3 正しい走り方を身につけよう
1.スキップ
2.ギャロップ
3.股関節を大きく回しながら前に進む
4.片もも上げで横に進む
5.片もも上げで前に進む
6.もも上げで後ろに進む
7.かかとをお尻につけるもも上げ
8.ひざを伸ばして前に進む
9.もも上げで前に進む
10.スムーズに走る(完成型)
体幹トレーニング
Step4 体幹トレーニング 初級編
1.体の軸を作る(その1)
2.足を組んだ姿勢でキープ
3.横向きで腰を上げてキープ
4.仰向けでお尻を上げてキープ
5.仰向けでボックスでキープ
6.うつ伏せで手足を上げてキープ
7.仰向けで足を上げてキープ
8.横向きで足を上げてキープ
9.正座でお腹をへこませる
10.仰向きで手足を上げてキープ
Step5 体幹トレーニング 中級編
1.体の軸を作る(その2)
2.片ひざつきボックスで足を伸ばしてキープ
3.横向きで腰と片足を上げてキープ
4.仰向けでお尻と片足を上げてキープ
5.仰向けボックスで片足を上げてキープ
6.うつ伏せで上体を浮かせながら手を動かす
7.仰向けで両足を上下に動かす
8.横向きで両足を上下に動かす
9.うつ伏せで腰を上げてキープ
10.横向きで腰を上げてキープ
Step6 体幹トレーニング 上級編
1.うつ伏せで腰をと片足を上げてキープ
2.横向きで腰と片足を上げてキープ
3.仰向けボックスで片足を曲げ伸ばしする
4.うつ伏せボックスで片手片足を上げてキープ
5.うつ伏せボックスで片足を回す
6.仰向けボックスで片足を回す
7.うつ伏せで腰を上げたまま片足を回す
8.横向きで腰を上げたまま片足を回す
9.仰向けで腰を上げたまま片足を回す
10.うつ伏せボックスでお腹をへこませる(猫のポーズ)
Step7 親子でできる体幹トレーニング
1.手押しずもう
2.足ずもう
3.手押しぐるま
4.逆さ手押しぐるま
5.足の起き上がりこぼし
6.うつ伏せで投げたボールをキャッチ
7.人に当たらないように左右へ足を伸ばす
8.スローインキャッチボール(片足立ち)
このように本ではトレーニングの仕方が説明されていますが、実際の動きが伴っていないので詳細が分かりませんでした。
ただ、DVDが付属されているので、そのDVDを視聴するとかなり理解が進みました。
実際に杉本さんが、動いている様子を実演してくださっていることもあり、どのように動けばよいかが一目瞭然でした。
そのため、本を購入するのであれば必ずDVDが付属している中古や新品が良いかと思います。
子どもと一緒に
このDVDを子どもに見せてどんな反応をするのか?試して見ましたが、意外と好意的な反応があり楽しみながら、自分たちでも動いていました。
5歳の娘は、ある程度動きが分かるようで、見よう見まねで体を動かしていました。
つま先歩きやスキップなども楽しんでいましたが、手押し車などもやっている姿が意外とかんじました。
また、2歳の娘は出来ないだろうと思っていましたが、つま先歩きはできたので、そればかりで歩いていました。
また、お姉ちゃんのやっている姿が面白かったようで、自分が出来なくてもお姉ちゃんを追いかけ回しながら楽しんでいました。
雨が降っていて外で遊ぶことが出来なかったこともあり、室内で体を動かせたのが良かったです。
結局、足は早くなるか?
トレーニングの仕方は紹介されていましたが、子どもに教えるためには親の関わりが必要かと思います。
あまり教えすぎても子どもが嫌がるかと思いますので、一緒に楽しむぐらいのスタンスで利用するのが良いかと思います。
トレーニング内容を見ると、姿勢についての内容、地面を蹴る感覚を身に付けること、この2つがポイントのようです。
地面を蹴ることとは直接、記載されていませんでしたが、かかとから地面についてつま先立ちを意識させること、スキップやギャロップも取り入れていることを見ると、地面を蹴ることを身に付けさせるために、段階を踏んでメニューが展開されているのかと思いました。
このような点を押さえつつ、子どもと一緒に身体を動かすことで、走り方かま身に付き、走るのが早くなるのではないかとのが良いかと思います。
最後に
大人が出来ないだろうと思うのではなく、やらせて見ることが大切だと感じました。
足が速くなればそれに越したことはないですが、まずは、色々な動きを覚えることが大切だと思います。
小さい頃は、身体の発達のなかでも神経系の発達が著しいのでこの時期に、身体の動かし方を覚えていくことで、いろいろな運動の対応できる身体になってくるかと思います。
なお、身体の発達の過程については、「」の記事に書いているので参考にしてください。
身体の動かし方(走り方)って、教えるものではなく、自然と身に付けるものかと思っていましたが、外で遊ぶ機会が少なくなっている状況を考えると、走り方も教える必要があるのかなと考えました。
でも、教えるというよりも親との遊びの中に自然と取り入れていくことで、子どもたちも知らず知らずのうちに、身体の動かし方を学べるように仕向けることがよいのかなと思いました。
また、サッカー少年少女たちには、最初のウォーミングアップなどにつま先走りや、スキップ、手押し車競争などを取り入れたりすることもできるのかなと思いました。
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